悪いかみ合わせのことを、不正咬合といいます。このうち、前項で触れたように、歯周病の原因となる外傷を引き起こすようなかみ合わせのことを、外傷性咬合といいます。
外傷が起きるには、さまざまな原因があります。たとえば、虫歯を治療しないで、そのまま放置しておいたり、歯が抜けたままにしておくと、歯並びがおかしくなってきます。内側に入り込んだ歯や、外に飛び出した歯などがあり、歯列がデコボコになってしまいます。デコボコの歯列のうち、くぼんだ部分は汚れがたまりやすく、飛び出た歯も唇に触れやすいので汚れが付着しやすくなります。そのうえ、このような場所は歯磨きもしづらいため、プラークが増えて歯周病にかかりやすくなります。歯周病を発症した場合も、病気の進み方がに早くなる傾向がみられます。
不適切な歯科治療が原因で、外傷性咬合になる場合も少なくありません。歯科治療を受けたあと、かみ合わせのチェックをしますが、これがきちんと行われていないと、あとで歯周病を引き起こすことになりかねません。
歯には、山の部分と谷の部分がありますが、それぞれに意味があるのです。かみ合わせたとき、上の歯の山の部分に下の歯の谷の部分が入っているでしょう。これがうまく適合していないと、かみ合わせがおかしくなってくるのです。
そのため、治療で義歯やブリッジなどをしたあとも、かみ合わせが左右対称になるようきちっと調整します。ふつう翌日になれば、なじんでくるものですが、まだ違和感が残っているときは、かみ合わせをみてくださいと言って、もう一度みてもらいましょう。
寝ている間の歯ぎしりも、歯周組織を刺激して咬台性外傷に結びつくことがあります。歯ぎしりは、寝ている間に上下の歯をギリギリと強い力でこすり合わせるので、あたる歯がしだいにグラグラしてくることがあります。歯周組織も刺激を受けますから、歯肉に炎症が起きてしまうことがあるのです。
ただ、歯ぎしりが歯周病に与える影響としては、物理的要因よりも、歯ぎしりをするような心的要因のほうが大きいでしょう。歯ぎしりをする人は過重なストレスがかかっている場合が多く、それを解放するために行う自然の行為なのですが、そのストレスの影響で免疫力が低下し、歯周病を重症し
やすくするというわけです。